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2007年09月29日
Holy
聖堂内の写真その2です。
天井を撮ったものです。
まるで絵画のような質感です。
今回も特大写真も併せてご覧ください。
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ヨーロッパの大聖堂は本当に荘厳かつ厳粛なムードに満ちています。
石作りの果てしなく広い空間に「静けさ」が響き渡ります。
石の床を踏んだ小さな足音さえもおそらく5秒くらいはあるだろう、
天然のリバーブ(エコー)によって、天井(天上)へと登っていくかのようです。
一方、日本のお寺や神社はどちらかというと「しめやか」な感じがします。
木造、畳など音を吸収するものが多いからでしょう。
そしてそれはまた西洋にはない落ち着きをもたらしてくれます。
いずれにしてもすばらしい宗教的な建造物のなかで、
僕はいつも宗派を超えた普遍性を感じてしまうのです。
(写真、文、 森 崇)
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投稿者 robopitcher : 17:24 | コメント (1)
2007年09月28日
creative
この真っ赤なキャンドル、ヨーロッパを旅行して教会や聖堂に訪れた人には、お馴染みだと思います。
ほとんどのヨーロッパの寺院に設置されたろうそくを建てるコーナーの横で2ユーロ(だったかな?)くらいで
売られています。日本でお寺などへ参拝したときのお線香のシステムと同じです。
この赤色はケースの色で、炎の光を通してとても美しく発光します。
また日本のろうそくと比べサイズがかなり大きく、また長時間灯るので、
僕はよく一つや二つ日本に持ち帰り、部屋や、キャンプなどのときの明かりに使います。
この世に夜が存在する限り、我々の生活に明かりは必要不可欠です。
どういうわけか夜に家でぼーっと電球を眺めていると、それが「ろうそくの進化した物体」という意識から、
やがて電気のなかった時代の現実の生活を妄想してしまいます。
同じように街で車が走っているのをみると、それは馬車の発展系、
ほんとうに馬車や荷車ばかりだったころはどんな風景だったのかなー、と妄想。
河原町通が馬車だらけで、青山通りに荷車や牛車。
携帯を使っていると、原始時代には石を叩いたり、火をおこして煙で位置を知らせたりしながらの通信。
そんなふうに身の回りのいろんなものの出所とその時代を、
幼稚なわかりやすーいレベルでビジュアライズ、妄想するクセがある気がする。
、、、でもパソコンだけはそんな風に過去のなにか事象、事物に置き換えられない。
なぜか。
たぶんパソコンだけは他のいろんな物質とは少し性質が違って、
ついには人の脳内そのもの的な構造に近づこう!とする、ひとつの
結晶体なのかもしれません。
ですから外的な物理的な由来や歴史感がなくて、
なんというか、脳そのものが外に露出してしまっているかんじ。
むき出しの脳がデスクに置かれているようなそんなすこしグロテスクな
妄想をしてしまいます。。。
脳内の置き換え、、無論それは全くもって不可能だし、現に不完全なのですが。
人はまるで自らを神のごとく全てを創造したがるのだなーと思う時があります。
人類の発展の歴史は全知全能の神への欲求とその終わらない(破滅するまで)プロセス、
という一言で収まってしまうのかな。
そうでなければいいのだけれど。
(写真、文、 森 崇)
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投稿者 robopitcher : 14:07 | コメント (5)
2007年09月25日
番外-3
ストックホルム市内の図書館。
円形ドーム状で壁が360°全部本棚!
すごくなくなくなくない?
ぜひ迫力の拡大画面で!!→View image
(写真、文、 森 崇)
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投稿者 robopitcher : 18:03 | コメント (7)
2007年09月23日
PONT-NEUF
パリ市内中心部、セーヌ川に架かる「ポンヌフ」という名の橋があります。
僕は20代前半にフランスの映画監督「レオスカラックス」の作品である
「汚れた血」に強く影響を受けたのですが、彼の作品の中でこの橋はよく登場します。
もちろん「汚れた血」においても、あるシーンで少し登場し、そして彼の次作であるその邦題がまさに「ポンヌフの恋人」。
今回ようやくその「あこがれ」の場所を訪れる事が出来ました。
ポンヌフ橋は直訳で「古橋」的な意味ですが、いざ訪れてみると最近改装されたのだろうか、
結構きれいで普通のなんと言うことない橋でした。
ですから嵐山の渡月橋のように特別風情があって、観光客がたくさん居て、、という雰囲気でもなく、
おそらくパリの人にはなんてことない日常の橋、だと思うのですが、
やはり僕には特別な橋。
ポンヌフの真ん中でひとり感極まっている日本人の僕、、でした。
------
そして、そして、、
彼女はMaria CastroさんといってMYSPACEで、出会ったひと。
音響、現代音楽の人で、抽象的ですがセンスのいい音楽をつくりひと。
彼女とはこのポンヌフで待ち合わせ。
そして初対面。
今までバーチャルなコンタクトのみだったので、はっきりと顔を知らなかったのですが、
先に来ていた彼女は僕と同じようにデカイ一眼を持って、
バチバチ周囲の風景を撮りまくっていたので、すぐに「一般人」でないオーラを放つ彼女がMariaだとわかりました。
無論僕は日本人なのですぐに彼女も僕と気づく。
彼女は昨日まで映画祭でカンヌに行ってたらしく、Tシャツをお土産にくれた。
世界中の映画監督の名が列挙されたデザインのシャツ。
世界中どこでもノベリティーグッズの代表格はTシャツだ。
僕は彼女に鳩居堂のお香、一保堂のお茶、折り紙のガイドブック、そして
抹茶風味のキットカットをプレゼント。
日本好き、そして大の日本茶好きの彼女はたいそう喜んでくれた!
そう、僕のMYSPACEのページの白黒のプロフィール写真は
彼女が撮ってくれたもの。結構お気に入りです。
Maria Castro
http://www.myspace.com/mariasounddesign
Takashi Mori
http://www.myspace.com/takashimori
(写真、文、 森 崇)
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投稿者 robopitcher : 15:47 | コメント (4)
2007年09月18日
Rhys Marsh.
引き続きノルウェーの夜ですが、この二枚は僕の撮影ではありません。
僕とRhysというイギリス人とのショットです。撮影は現地の友達。
今回の旅は、Rhys Marshというイギリス人とのレコーディングセッションが目的だったのですが、
彼は今年三月にこちらノルウェーのトロンハイムという街に移動して、
彼の友人が所有するホームスタジオに一緒に暮らしています。
そのときのスタジオの模様等は追ってまたアップして行くつもりですが、
ちょうどつい先日、彼の音源がデジタルリリースされたようなので、聞いてみてください。
試聴もできるようですので。もちろんドラムは僕。
彼の音楽はある意味現代の北欧のフォーク、(と思う)
メランコリックかつ内省的で美しい曲、そしてかなりの美声です。
(写真、文、 森 崇)
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投稿者 robopitcher : 15:26 | コメント (6)
2007年09月17日
白夜とビール
いよいよノルウェーです。
実際の旅程とは逆で、さかのぼって行ってますが。。。
これは夜中1時頃のショット。
日本だと夕焼け?くらいの明るさなのですが、
こちらでは深夜でもこんな状態のままやがて夜が明けていきます。
完全な白夜、とまではいきませんが、ノルウェー滞在中、
完全な暗闇はありませんでした。
とうぜん夜9時10時頃だとまだ余裕で陽はのぼっており、
まるで昼間のようです。とてもとても不思議な気分です。
ノルウェーの人は加藤君と匹敵するくらいビール大好きで
(地ビールはめちゃくちゃおいしかった!)
仕事終わりでみんな一斉に飲み出すのですが、(ものすごい割合の市民が飲みに出てる気がする!)
街一番の飲み屋の前にはざっと300人くらいは座れる特大バルコニーがあり、
昼間のような明るさの下、300人ほどの人が飲みまくり、騒ぎまくり、酔っぱらいまくり、、
の光景には本当に驚かされました。
これが夜。。飲む時間??
まるでなにか非常事態の光景を見ているような。。
という訳でこれが夜の飲屋街。
なんと健全かつ異様な光景!もう夜の10時頃やでー!
(でもこの時期は6月初旬。長い厳しい冬が終わり、
ようやく訪れた夏の始まりを思いっきり謳歌しているのでしょうね。)
(写真、文、 森 崇)
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投稿者 robopitcher : 15:45 | コメント (6)
2007年09月15日
something ambient things...
今日はどこか頭の中が呆然としています。
良くも悪くもない、なにもない空白の時を過ごしています。
ここしばらく、大いなる希望や予感と些細な失意や落胆がどちらも同じくらいの量に膨れ上がって、
そしてその量の多さ故に頭の中の容量オーバーが起こって、次第にそれら両者が混ぜ合わさって、溶解し、
化学変化してただの真水になっちゃった、、という感じ。どんな感じや。。
こんな無味な日にはアンビエントななにかをつくればいい。
外は雨だしねー。
アンビエントななにか。。。
音?
音なら70年代のイーノのような原始的なやつ、、
いや写真?
雨の日のびわ湖には、海水には出せない切なさがある。
いやアンビエントな料理をつくろうか、、
ってどんなんや。
超薄味なのに、噛み締めると深ーいドラマが浮き上がってくるような味付け。。?
あるいは言葉?
いつが終わりかわからない短編。R.カバーみたいな。
10年後にデジャブのようにその結末の意味がはっきりわかる時が来るような。
そんなやつ。
、、、、って、言葉なんて今までまともに書いた事ないやん。。
試す?
ふー、今日はどれもやめておこう。
なにもしないでおこう。
何もしない日に限って見失ってた目の前の大切なモノと再会する気がするので。
Have a nice weekend!
(写真、文、 森 崇)
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投稿者 robopitcher : 17:04 | コメント (4)
2007年09月12日
番外-2 (ヨーロッパの街にいると楽しい理由)
バスの車内。停車ボタンのドアップ!です。
なんとカラフルな車内!楽しそうでしょう。
日本だとバスや電車ってどうしても内装が地味というか、
「中庸」な感じなので、気分的に割とどんより疲れる印象があるのだけど、
あちらでは、たのしい内装の乗り物が多い気がするな〜。
いろんな乗り物に乗る事自体が旅の楽しみだったりします。
前に日本と欧州の街の日常の文化の印象の違いについて少し話しましたが、
こうした公共のモノのデザインのかわいらしさは、
あちらに居ると楽しくなる理由の一つです!
生活のちょっとしたアクセントの豊かさはさすがです!
(写真、文、 森 崇)
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投稿者 robopitcher : 22:50 | コメント (15)
2007年09月10日
subway マニア
ストックホルムの地下鉄駅その2です。
いずれにしても僕は「地下鉄周辺」のマテリアルに惹かれてしまうようです。
ストックホルムはそう言う意味で被写体の宝庫だった訳ですが、
日本でも頑張って探してみようかな、と思ってます、絵になる地下鉄構内を。。
特に東京メトロは気になってしようがない。
都内で地下鉄をよく利用される方、おすすめポイントがあれば教えてください。
ちなみに僕は浅草線をねらっています。いちどちゃんと時間かけて全駅チェックしたろかしら、と
思ってるくらい。昼ご飯にドジョウ食べながら。
とにかく浅草線以外でもあまり人通りがなく撮影しやすく、
また連絡駅が多く故に異様に長ーい廊下やエスカレーターや歩道など、
そして近未来SFチックなオーラを放つトンネルなどがあれば、ぜひご一報を。
(写真、文、 森 崇)
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投稿者 robopitcher : 23:33 | コメント (26)
2007年09月07日
岩盤をくりぬいて作ったストックホルムの地下鉄駅
そう、これが地下鉄の駅構内なのです。
最初は信じられませんでした。
まるでSF映画のセットかなにか。そしてとにかくうす暗い。
いくら西洋人の目の色素が薄いとはいえ、ここまで照明を落とすか、普通!?
以前に掲載したストックホルム中央駅の写真の時にも言ってましたが、
ヨーロッパにはそれぞれ工夫を凝らしたデザインのおもしろい駅がほんと多い。
それらを巡るのも旅の楽しみのひとつ。
ここストックホルムは非常に地下鉄路線が発達しており、
市内へのアクセスは大変便利。
駅はというと岩盤を掘り抜いて建設された駅が多く、その光景はほんと巨大な「作品」です。
「世界一長い美術館」「世界最大の地下美術館」と言われているほど。
各駅ごとにそれぞれちがう芸術家が装飾を担当しているそうで、
地下鉄巡りだけでも観光ネタとして余裕で一日潰せるよ。
ここにも色々載っています。
http://archibase.net/archinews/14172.html
そしてこちらは、たまたま見つけたロシアのアンダーグラウンド。
東欧やロシアは次回絶対行くぞ!
http://www.funmansion.com/html/Underground-City.html
(写真、文、 森 崇)
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投稿者 robopitcher : 11:07 | コメント (5)
2007年09月06日
コペンハーゲン
街の風景をどうぞ!
この街でも古い壁はいたるところに。ここまで古びていると、もはや抽象画のよう。
はり巡らされた電線が「東欧」を彷彿とさせる。南に来たなーと実感。
コペンハーゲンではバス移動ばかりで地下鉄乗れなかったので駅だけでも撮っておこうと。
有名なチボリ公園付近。色使いがなんとも微妙ですけど。。
(写真、文、 森 崇)
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投稿者 robopitcher : 00:29 | コメント (4)
2007年09月05日
番外
これヨーロッパ旅行最終日にコンビにで見つけたチョコシェイク。
旅の前半、パリやノルウェーでは沢山の人との出会いがあり
様々な人たちと過ごしましたが、
後半はガラッと変わって完全一人旅。
最初は独りが楽しかったのですが、デンマーク最終日の頃には
全く誰も知り合いがいない状況に少し寂しさが募ってました。。
そんな孤独感を見事にいやしてくれたのが、このシェイク!
たぶんデンマークだけでしか売ってないこのチョコシェイク、、
何となくパッケージがかわいいので買ってみたら、
あまりの美味しさに飲み干したその足でもう一本買いに走った。
さっききた日本人がまた同じものを買いに。。コンビニの店員苦笑い。
その後も宿泊先で、空港で、と飲みまくった!
投稿者 robopitcher : 17:41 | コメント (7)
2007年09月04日
今日も狭間の日々です。
僕はあるものとあるものの「狭間」に生きようと決意して、
今日まで色々やって来ている訳ですが、
その中にこそ見えてくる美が昇華し、やがてそれらが自立するようになるには、
まだまだ育ての親である僕自身の経験が必要なようです。
完全な無気力感と無限の可能性の狭間にもこれまたキラリと光るものがあって、
うれしいやらうんざりするやら、、の日々です。
みなさんはいかがお過ごしですか。
さて今回はコペンハーゲンの空港駅でのショットです。
反対車線のホームの壁を撮りました。
さすが玄関口、かっこいい北欧モダンなテイストでデザインされています。
この写真は僕のトップページだけの簡易ホームページにも使っています。
http://takashi-mori.com/
↓あっ、今回もポップアップで拡大です。
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内省的な創作がそのままシリアスに受け止められる日本の風潮はとても嫌いです。
だからといって自分を無理に振り切らせた、開き直り系安もんアートはもっと最悪です。
その点、ヨーロッパを巡って一番素敵なのは、表現の向うベクトルに関わらず、
誠意のあるものには寛大なエンターテイメント性を持って一般の渦のなかに
溶け込ませて行く力と優しさが人々の心のなかにあること、です。
そして日本のように同じ体臭の人間だけでコソコソ何かをする雰囲気はあまりないようです。
ほんとうは国籍云々の話ではないとは思うのですが、
欧州の街中には、ただ道を歩いているだけでも、あまりにも生活のリズムに対して幸福感を感じさせる
マテリアルに溢れているので、たまに来た旅行で浮かれた新鮮味によるもの、だけでは済まされない、
日本との何か致命的なギャップを感じるのは事実です。
(写真、文、 森 崇)
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投稿者 robopitcher : 23:46 | コメント (2)
2007年09月02日
心の風景
いやー、真っ暗闇のびわ湖を眺めながらの演奏、すばらしかったですねー。
さてさて相変わらず地味ーに順調に占拠中のこのコーナー。
お次ぎはこれ。
コペンハーゲンでのショット。
池の水面です。
実際はヘドロというかなんというか、とにかく池の周囲にたまった汚れで、
水面がドロドロ。そしてその上に落ちた白い羽。
たぶん普段、誰も目をとめないどうでもいいような場所でしょうけれど、
こうしてカメラに収めるとちょっとしたドラマがあるような気がします。
思うに写真のマジックは無限大で、おそらく普段近所でもう何年も何十年も何回も何百万回も通っているであろう道ばたの
片隅のちょっとした光景でさえも、ひとたびファインダーを通して眺めてみると、今まで知らなかったようなハッとする宇宙と出会うことでしょう。
たとえば京都観光に来てお寺や集合写真を撮っている人の姿は自然な感じですが、
たまにそこらの道の隅にしゃがみ込んで「一体何撮ってるの」という不自然な撮影をしている不審な人がいれば、
彼のファインダーの中には見た事もないような、さぞすばらしい世界が、ドラマが繰り広げられている事でしょう。
(写真、文、 森 崇)