「バンドってさあ」 …2005/04/13(水)

 

 はい。うんうん。みんなのいいたいことわかってますよ。
 コラム、ねえ。更新されないですよね。
 わかってる、わかったうえでね、うん。僕は言いたい事があるわけですよ。

 忙しいんじゃ!

 とね。いや。別にね、このロボピッチャーHPのコラムを軽く考えてるわけじゃないですよ。
 でもさあ、そりゃ、毎日毎日激励のメールでもこりゃあ、まあやる気にもなりますけど、月に2,3通のメールでやる気になれっていわれてもねえ。こっちだってさあ、人間なんだし、底なし沼にいつまでもボールを投げこんでられへんやん?生活するってキャッチボールすることやん?投げっぱなしジャーマンは痛いだけやん?

 まあ、そんなわけでですね、思いっきりコラム更新をサボっているわけですが、しかも、FM大阪の番組が終わった事にかこつけて格言の更新までなぜかサボっているのですが、ここへ来て、どうしても無視できないメールが来たので取り上げさせていただきます。
 Tさんという方からのメールです。
 多分、このコラムあてのメールだと思うのだけど、それは明記していなかったので、もし万が一ここで取り上げられたくないメールであった場合は、すばやく連絡してくださいね。即刻削除しますから。 

私は、ドラムを6年やっています。ついさっきバンドを止めました。
そのバンドはB、リードG、VO&G、そして私でした。ほかの三人は男です。三条のJEUGIAのメンバー募集チラシで出会い、リードG、Bはめッちゃ演奏が上手く、メンバー間の仲もよく、家も近かったです。
ただやめた理由は、失礼だがVOの歌声が嫌いなこと、一番年下で意見を聞いてもらえない、曲と詞の好みが合わない、他のメンバーが今すぐにでも上京する、焦りっぷりについていけないから、です。
私もまたバンドを組みたいのですが、自分が今回バンドをやめた理由が余りに自己中心的な気がして、この先バンドをまた続けられるか不安です。初めて組んだバンドでやめたのも初めてです。
私のような理由でやめるのは、良くあることなのでしょうか?
お忙しいところ、こんな未熟者のパニックメールをおしつけてごめんなさい。私もロボピッチャーのみなさんのような、素晴らしいバンドマンになりたいです。絶対なります。デパオク行きますね^^
P.Sドラム募集してるバンドいはりませんかなんて・・・



 Tさんこんにちは。
 デパオクミュージックには来ていただけたのでしょうか。デパートの屋上で見るロボピッチャーはどうでしたか?
 さて、質問の内容ですが、僕にはなにも問題のない、意識の高いミュージシャンのコメントのように思われます。
 音楽は、みなさんもご存知のように、人間の心のもっとも弱い部分や、不安定な部分や、幸せな部分や、恋しい部分でやることなので、もう理屈じゃないんですね。
 音を出しているだけで、もう闇雲に楽しいというのが音楽の基本です。
 それにたどり着けないのなら、たどり着くための努力をしなくてはなりません。
 あなたは、自分が音楽をやるというスタンスをどうもはっきりとわかっているようですし、自分がやりたい音楽、鳴らしたいドラムのイメージがあるようです。それなら、そのイメージ以外の音を出すべきではありません。

 バンドは一つの生き物であり、複数の人間が同じ方向を向かないと音楽にはなりません。その人間達が別々の物をイメージして演奏していては、良いバンドにはならないのです。
 ここで難しいのは、「バンド」という言葉に、文化祭的な、青春的な、「お前って俺の親友だよな」的な、「俺のギターをわかってくれるのはお前だけなんだよばかやろー」的な、なんかそういう雰囲気もあることなんです。
 パブリックイメージにおける「バンド」は、さまざまな困難を乗り越えて、メンバー全員力をあわせて武道館だ!みたいな感じですが、それは過ったイメージです。だまされてはいけません。
 音楽は表現であり、芸術であり、「バンド」はその形態の一つです。
 それは、ものすごく尊く、可能性のある表現ではありますが、大切なのは「表現する」ということであり、「友達だから」とか「あいつのことちょっと好きだから」とかで左右されてはいけません。一番良い音楽を、聴いてくれる人に届けるのが音楽であり、それが一人では出来ないから「バンド」でやるんだ。これが基本姿勢です。
「大好きな友人とやっているから良い音が出せる」という場合もありますが、大好きだから音が良くないけど我慢する、というのは本末転倒ですね。そんな友人の事は大好きではなくなってしまいます。
 もちろん、続けていく中で、バンドはゆっくりと成長していき、最初は嫌いだったあいつもなんか最近良いギター弾くよなー、なんつって、友情(時に愛情)が芽生えるときもありますし、「音楽的」なカテゴリーの中だけで出会った人と仲良くなり、友達になることだって少なくはありません。
 ただ、僕が言いたいのは、音楽はどんなに厳しい状況下であっても、楽しいものであり、楽しんでやれないのであればそれは音楽ではないという事です。 自分の目指したい音、書きたい曲、出したいアレンジ、出たいライブ、などが反映されないのなら、それは楽しくないですよね。そんなバンドはやめてしまいなさい。自分がやりたい事を出来るから音楽であり、やらされているのならただの仕事です。それで、日給2万円とかもらえるならもちろんやったらいいですが、バンドってなかなかそうはいきません。辛いですね。ロボピッチャーも辛いです。

 僕はあなたがバンドを辞めた理由が自己中心的だとは思いません。
 僕も、ありちゃんも、伊藤君も、森さんも、今までたくさんのバンドをやってきて、なんども「俺もうこのバンド辞めるわ」(ありちゃんは「わたしもうこのバンド辞めるね(ハート)」)というセリフを吐いてきました。
 僕らは表現が自由なものであり、自分のもつアビリティーやポテンシャルがすばらしいと信じています。だから、自分の指向性とバンドが違うものを求めだしたら、それはバンドを辞めるという判断にならざるをえません。
 あなたの判断はまったく間違いなく正しいし、これからもそうであって欲しいです。

 第一 1、VOの歌声が嫌い 2、一番年下で意見を聞いてもらえない 3、曲と詞の好みが合わない 4、他のメンバーが今すぐにでも上京する、焦りっぷりについていけないってそれ、辞める条件そろいすぎです。

 ところで、ドラマーというのは実はバンド界において、もっとも欠乏しているもので、ドラムを求めている人はたくさんいると思われます。
 大丈夫。時間はかかるかもしれないけど、きっと良いバンドにいつかめぐり合うから。

 強く望めば、それは叶うのだと、僕はロボピッチャーを作ったときに確信しました。

 もし、このコラムを読んでおられるバンドマンの方で、ドラムを探しておられる方がおられましたら、info@robopitcher.comまでメールをください。私が責任をもってTさんまでその熱い思いを届けさせていただきます。
 そして! もちろん、そのバンドの初ライブはロボピッチャー(もしくは加藤ソロ)とともにやろうじゃないですか。ええ。もうやりますとも。
 なんでもやったったらええねん。
 さらに、もしそのバンドが売れたりしたら、ビールを1ケースくらいくださいね。
 お待ちしております。
 それでは、ロボピッチャーの加藤でした。




 
 
 
   
 
 
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