またもや新企画ボツになった歌詞群に宝物は埋まっていないのか!?  

  こんにちは。
  日夜世界の平和の為、そして自己満足のためにさまざまな作品を作り続けている男、加藤です。
  なんせ、日夜さまざまな作品を作り続けているからには、ボツになった作品もたくさんあるわけです。
  ボツになる理由はさまざまです。いまいちメロディーが乗ってねえとか、バンドのキャラにあわねえとか、根本的に作品がいまいちいけてねえとかです。
  でも、せっかく創ったのだから、そういうのだって一応世に問うておきたいのです。その作品たちの声にならない叫びだって世界に届けておきたいのです。
  その残骸の中にもきらりと光る痕跡くらいはあるのだと、信じて疑わずやってみる企画です。
  最近ネタがなくなって、過去の遺産を食い潰してばかりだとの誹りを真正面から受け止めて、「それでもやってやるのだ!」という強い気持ちです。
  それにしても、一度命を吹き込まれた作品たちは、一度も世にでなかったらどこのタイミングで死ぬんだろう。

ボツネタ1
タイトル
「だから僕らはうつむきながら靴の裏のうんこをとった」

ハーフウェイで待って ポップフライを見上げて
最後の夏が終わったのを知った

延長12回の最後のバッターは
誰かのミスを願って走った
セカンドは既に落下地点にいた
バッターは願う彼が失敗することを

あいまいな僕らが願う未来は
明日のことだって真っ暗闇の闇で
だから僕らはうつむきながら
靴の裏のうんこをとった

一瞬のきらめきが大切だっつうなら
一瞬きらめいて死ねばいい
それでも時間は続いていくから
僕らはしぶしぶマンガを読む

あいまいな僕らが願う未来は
明日のことだって真っ暗闇の闇で
だから僕らはうつむきながら
靴の裏のうんこをとった

作者加藤のHOT解説。

 うむ。自分でも半信半疑で創った曲でしたが、やはりボツになりました。靴の裏のうんこを取るという作業は人間なら誰しも経験したことのある普遍的な行為だと思うのですが、あえてそれをポップミュージックの文脈で世に発信することに一切意味を見出せなかったというのが、ボツの理由というのは嘘で、なんか歌っててちょっと恥ずかしかったから。
  しかも結構キャッチーなメロディーで、やけにここの歌詞が耳に残ってしまい、よくよく考えると別にそんなに「靴の裏のうんこ」に思い入れがあるわけでもないのにものすごく僕自身がうんこにこだわりを持っているように思われてしまう危険性を未然に回避したわけです。危機管理能力の高い作詞家だってことです。うむ。
  あと、今となってはよくわからないのだけど、ハーフウェイでポップフライを見上げているランナーという、夏の甲子園の球児たちのイメージと、靴の裏のうんこはどういうふうに僕の中で結びついていたんだろうか。僕らの未来はたしかに、まったく予想が付かないという意味において真っ暗闇だとは思うけれど、だからって今現在やらなくちゃならんことは別に靴の裏のうんこを取ることじゃねえだろう。
  いや、ちょっとまてよ、違うな。靴の裏にもしうんこが付いていたら、それを取ることが最優先されなくちゃならん。それを後回しにするほど重大な出来事ってもう命に関わる危険なこと以外思いつかん。ある意味人生の優先順位において、靴の裏のうんこを取るという作業は圧倒的上位に位置し、またそれは一瞬のきらめきとも実はリンクしているのか。その一瞬のきらめきというイメージにおいて、夏、野球、最終回のラストシーンみたいなイメージはリンクするのね。うむむ。侮りがたし加藤の歌詞。見事なまでの構成じゃないか。やっぱりかっこいいなあ俺。後は歌う時に恥ずかしくない曲でありさえすれば人気の曲になったかもしれないのに。あ、でもこの曲を練習してた時に確かちゃんとありちゃんがコーラスをしてくれていて、それはそれで素敵だったのだけど、見目麗しい女子がたくさんのお客さんの前で「うんこ」という単語を連呼するという行為、つまり「うんこを連呼」という行為を行うことがどうしても倫理的に許されない気がしたのでやはりボツにしました。
  このコーナーが空前の人気コラムになることを切に願ってやみません。
  なぜならボツ曲はいっぱいあるからもうネタに困らないからです。
  そして、伊藤君との出会いの直前でぴたりと止まっている「ロボピッチャーが出来るまで」という連載の続きを早く書いてくださいという声を聞くたびに「HUNTER×HUNTER」の続きを書けと各所で言われている富樫さんへ同情を禁じえないと思っている加藤なので、どうぞみんなの気がそれて「ロボピッチャーが出来るまでなんかより、ボツネタのほうが大好きー!」という声がどんどん高まっていかないかなあと切に願うロボピッチャー代表カトウタカオでありました。
  それじゃみなまさ。あ、ちがう、みなさま、また来週。

  加藤隆生



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