ミュージシャンが音楽ライターにインタビュー。

 

  前編

というわけで、昔から一度はやってみたかったこの企画。
いつもは話を聞かれるばかりのミュージシャンが、音楽ライターさんにインタビューしてみました。
音楽テキストの現在と今後、アーティストのプロモーションとは。はたまたロボピッチャーの宣伝は今後どうして行くべきなのかっ!
新宿のひなびた喫茶店で2時間に渡って行われた二人ぼっちの対談でございます。激長です。




加藤:杉岡さんはhotexpressでどんな仕事をされてるんですか?

杉岡:日々のニュースの配信から、インタビュー、ライブレポ、レビューと、hotexpressに掲載されるものにはほとんど関わってます。けっこう少人数でやっているんですけど、やっぱりそれはネットの特性なのかな、と。
良し悪しはあると思うんですけど、雑誌とかに比べると少人数でもできる。

加藤:hotexpressではこういう音楽は取り上げて、こういうのは取り上げないっていうラインっていうのはあるんですか?

杉岡:基本的には取材したい、紹介したいアーティストがメインになってきます。もちろん「これだったらPVを稼げる」とか、「人気があるから」っていうヤニっこい所だってありますよ。
そこはもう雑誌、音楽専門誌などと変わらないと思います。

加藤:ちなみに杉岡さんは元々音楽ライターを志望されてたんですか?

杉岡:その辺はあまりほめられた経歴ではないんです(笑)。
プロを目指してやってきたバンドを26歳で辞めることになり、その後はしばらくは引きこもりというか、完全に社会に適合できてない日々を続けて。ただ、バンドでも時々詞を書いたりしてましたし、物を書くということは元々好きだった。で、たまたま今の職場の応募を見つけて。

加藤:音楽をテキストに変えるっていう作業ですよね?
それに心がけてるということってありますか?

杉岡:やっぱり音楽って耳で聴くものであって、目で追うものではないと思う。しかも僕は洋楽しか聴かなかったんですよ、元々。その上、まったく詞を読まないし、何より僕にとって音楽とは趣味というのか、NO MUSIC NO LIFEみたいな感覚はなかったんです。
ありていな言い方をすれば、まあ今って多様化が進んで、一つの物事に集中していくエネルギーがどんどん少なくなってきているんじゃないかと。その中で例えばファンとアーティストの密接な関係の中で鳴っている音楽だけじゃなく、何となくいいから聴いてるとか、アーティストで聴くんじゃなくて楽曲ありきで聴くようになったらおもしろいんじゃないのかなって。
以前、ライブレポ塾でも書きましたけど、「センチメンタルと臨場感を分けた方がいい」というのは常に心がけていて、やっぱりどこかで突き放した客観的な視点も取り入れるというのは書く上で絶対に心がけてることですね。

加藤:プロのライターとしては必要なことですよね。
それがブログで個人で楽しんでる方にはまったく必要のない考え方かもしれないですけど。

杉岡:べたべたな話なんですけど(笑)、ほんとにそういうところは真面目に。お金を払ってもらって読んでもらうわけじゃないので、その差別化というのはしっかりと。


加藤:世の中には色んな音楽ライターがいて、極端に主観的な音楽ライターもいるじゃないですか。一昔前にはたくさんいた音楽ライターさんって、やっぱりこうカリスマっぽい人がいて、もううおー俺はこのバンド大好きだー!みたいなね(笑)。

杉岡:はいはい(笑)

加藤:もうそれが饒舌に語られることで時代が作られたり、音楽ライターという職業にこがれた人もいたと思うんですよね。
杉岡さんの言う「客観性」みたいなものってよくわかるんですけど、圧倒的な個性っていうか、ライターの圧倒的な主観みたいなものが読み物として成立してるっていうライターは最近いるんですか?

杉岡:自分は基本的に影響されやすくてすぐパクッちゃうんで、この仕事を始めてから、実は意図的に読まなくなった時期とかもあって(笑)。なんであんまり分からないんですけど、確かに良くも悪くも個性、という意味では薄くなってきてるような気がしますよね。


加藤:音楽をとりまく環境が変わってずいぶん経つと思うのですが、以前は確かにアーティストとオーディエンスをテキスト(音楽雑誌)が繋いでいたと思うんですけど、今はアーティストとオーディエンスが直でも繋がれるようになっているわけですよね。
そこで音楽テキストが果たす役割についてというのは考えたことがありますか?

杉岡:結局、最新情報を最も早く手に入れられる場所がオフィシャルサイトになってしまった以上、それはラジオもそうだと思うんですけど、その必要性、存在意義が薄くなっちゃいましたよね。
そんな中での自分の役割は専門的になりすぎず、わかりやすい言葉で、広くたくさんの音楽を紹介することだと思うんですよ。ただ、ネットは情報が多すぎて、そのチョイスが難しい。
最近、ミュージックマシーンというサイトのたくやさんたちが中心となって、ナタリーっていう新しいサービスを始めたんですけど、あれもすごく顕著で、自分の好きなアーティストを登録しておくとそのアーティストの最新情報が取れる。何百万とある情報の中で、自分の欲しい情報だけをピックアップできるというのは素晴らしいと思うんですけど、僕はその一個前の段階をやりたいなと。
自分が何を好きかわからないけど、何か聴いてみたらおもしろかったとか、もうちょっと詳しく知りたいなとか、で、詳細を知りたければオフィシャルサイトへどうぞって。そこの部分をもう少しライトに紹介できるようなツールになるべきなのかな、と。

加藤:ラジオとかなら音も直接流せるし、広く今流行ってる音楽とかをざっと俯瞰して聴くことはできるわけじゃないですか。
音楽雑誌も一つの雑誌に30くらいばっと載ってて、読者は一個のバンドは好きだと。その一個のバンドを載せてる雑誌だから他に載ってるバンドもかっこいいんじゃないだろうかと。そういう1を30にする力が昔はあったと思うんだけども、最近そこまでみんな情報に飢えてないから、必死で探してないというか。まぁ一個のバンドが好きならその一個のとこだけ立ち読みして後はもういいか、みたいなところがあって。
それをせめて1/30を3/30とか4/30とかにするっていう役割をもちろん持っていると思っていて、そこで杉岡さんみたいになるべくわかりやすく情報を整理して出してあげるということはすごく…いやもうそこしかねえんじゃねえの?とは思うんですけど、それができるためには、僕は読み物としてのおもしろさ、エンターテインメントが必要な気がしていて。
ライターのとんでもないライティング能力とか、表現者としてのライターの力があるから読ませる。
このアーティストに興味があるから読むじゃなくて、このアーティストを書いてるライターに興味があるから読むくらいの勢いがないとダメだとと思っていて。
だとしたらもうインタビューはいらねんじゃないかという話なんですよね。インタビューって言ったって、そんなに個性出ないじゃないですか。聞き手にどうしてもなっちゃうから。僕は今インタビュアーなんですけど(笑)

杉岡:はははは(笑)

加藤:華がありすぎてごめん。

杉岡:あははははは(笑)個性強すぎてごめん?(笑)

加藤:だけどまあ何かそういう、だからめちゃくちゃ笑えるライブレポとかCDレビューがあればいいのかなと。僕杉岡さんのCDレビューすごい好きです。すごいおもしろいと思うし読ませるしすごいいいけど、そのライターがさらにWEB上でどーんとカリスマのごとく表れると僕はめちゃくちゃおもしろいなと思うんですよ。

杉岡:そこはけっこうジレンマという部分があって、すごい乱暴な言い方をすると、ライブレポートって臨場感とかその場の空気を伝えるとかよりもまず読んでておもしろいことが大事なんじゃないか、読んでておもしろければそのライブの情報はさして伝わらなくてもいいんじゃないか、とすら思っちゃうんですよ。

加藤:読み物としておもしろければ。

杉岡:はい。もっと言えばそのライブレポを読んで、「こんなおもしろいライブレポを書けるライブなんだ」って思わせたら勝ちなのかなって。
結局、音楽業界にいっぱいお金が入れば、末端である僕らにも血が行き届きますよね。てことは、やっぱりCDを買う人、ライブに行く人が増えれば、その分僕らも潤う。当たり前ですけどそれが一番の役割な訳で、それをやるために今必要なことっていうのは臨場感を伝えたりとかライブの素晴らしさを教えることとか、もっと言ってしまえばファンをターゲットに、ファンが読んでおもしろいライブレポはもう必要ない、というか音楽情報サイトってのはそれが必要じゃない媒体なのかもしれないな、と。


加藤:僕は今回ライブレポとライブはもう別物じゃないかとすら思っていて。

杉岡:ははは(笑)はいはいはい。

加藤:オタキングの岡田斗司夫さんがよく言っておられるんですが、ある作品があってそれについて評論をしたら、その時点で別の作品ができてしまう。もう同等なんだと。
それにぶらさがって評論するんじゃなくて、評論ができた時点で同等のものとして扱わなくてはダメだ。評論というのはそれほど重みのあるものなんだというようなことを言っていて、僕もそう思うんですよ。
根本的には読み物としておもしろいライブレポ、読み物として圧倒的に魅力的なライブレポというのがないと変わっていかない。
みんながこの業界の閉塞感を感じてるわけじゃないですか。
真ん中にいる人たちはどうなのかわかんないけど、末端の人間は末端の人間で中心からまわってくるお金を待つより、ここですごいテキスト書いて大騒ぎで、ここに載ってるバンドは一個も知らないけどこのライブレポ最高だっていう(笑)。

杉岡:はははは(笑)はいはいはい。

加藤:この本は売れる、みたいな。このバンドの集客は30だけど、本は2万売れた。

杉岡:はははは(笑)

加藤:覚悟のベクトルとしてそういうものがあるとおもしろいな、と。

杉岡:そういう部分に注目できるのはやっぱりロボピッチャーしかないですよ。SCRAPの編集長でありバンドのフロントマン、中心人物である加藤さん。ていうスタンスでないとなかなかそこに着目できないのかなっていうのを僕は思ったりするんですけど、そうでもないんですかね?そこは。

加藤:どうなんですかね。ただ、僕が年を取ったっていうのもあるかもしれないんですけど、とにかく音楽雑誌を読まなくなったし、音楽雑誌のエネルギーを感じないんですよね。これはロボピッチャーのいるシーンが音楽雑誌の取り上げるシーンとずれているからかもしれないんですけど。
でも、ラジオに一回流れたら「流れてました」、テレビに一回出てたら「テレビに出てました」ってリアクションはきちんとある。
hotexpressで最初のロングインタビューは「加藤はこんなこと考えてたのか!」ってわりと色んなリアクションがありました。でも音楽雑誌のリアクションってなぜかロボピッチャーは結構少ないんですよ。
とにかく、そういう音楽雑誌がどんどんぼやけていく様、しかも乱発されている様。本屋に並んでる音楽雑誌とは別に、音楽のフリーペーパーだけでも何種類あるんだっていう状況だし、各地域にあって宇都宮の一番HOTな音楽シーンを紹介する「宇都宮ミュージック」みたいなフリーペーパー出て、どうなっちゃうんだろうというか、もうそりゃそれぞれに頑張って欲しいけど、何が生き残って何が生き残らないのかとか見えなくなって、みんなが足を引っ張り合って結局パワーなくなっちゃってんじゃないの?とかすごい思っていて、その危惧。もっと言えば、ロボピッチャーがどこに広告載せたらいいの?っていうのはあるんですけど、だからそういうほんとにぐるぐるした感じが、じゃあもうロボピッチャーのホームページにコンテンツを作ろうとかいうところまで行って、今日に至ってる。

杉岡:だからもうその「ライブレポ塾」とかがほんとにいいなと思うのは、ロボピッチャーのライブレポがロボピッチャーのサイトで見れてしまうっていうのがやっぱりあって、さっきの役割じゃないですけど、ミュージシャンとオーディエンスを繋ぐ役割っていうのはオフィシャルサイトがすごく果たしている。
今までは雑誌で見てきたことがオフィシャルサイトを見ればすべてわかってしまう。例えば、オフィシャルHPでインタビューをやってしまえば、hotexpressを見る必要性はないですよね。ある意味。

加藤:ただ、そうなるとすごくクローズなものになってしまうから、どんどん新しいお客さんを獲得していかなくちゃいけないから、そこの中である汎用性というか一般性みたいなやつをどこで持つかという時に、どうしても杉岡さんという存在はあのページには必要だったんですよ。
hotexpressというアウトプットがあるところがすごく重要だったんです。

杉岡:なるほど。

加藤:でもライブレポって、実は僕基本的にはこんなに力を持っていると思っていなくて、何せライブって60分間だけ動く感情であったり音であったり言葉であったり動きであったりっていうのを体で表現してる立場の人間なんで、それをテキストに落としこまれたところで何の価値があるのかって思ってたんですよ。でもちょっと始めてみたら、ライブレポっていうまた新しい作品が生まれてきたっていう喜びですね。最初のもともとのきっかけはロボピッチャーのライブで、そっから別の作品が生まれていく、しかも俺以外の人間によって生まれていくっていう喜びみたいなやつがあって、二次的な喜びみたいなものが。や、これはちょっとおもしろいかもしれんなと思って生まれたのがライブレポ塾っていうコンテンツなんすね。
日本のライブって高いし、ロボピッチャーのライブでさえ3000円取られるし、交通費合わせたら4000円かかっちゃうし。もちろん値段に合う価値のものを提供しているとは思うけど、そんなお金がない人だってたくさんいると思うんです。しかも遠くにいる人はなかなかライブ見られないから、その辺悩みとして持っていたけれども、ライブレポというものがライブの臨場感をある程度表現してくれるなら、それに越したことはないわけですよね。
ライブレポっていうのが一つの作品として成立するっていうところにすべての辻褄が合って、しかもそれのアウトプットとしてhotexpressがあるからいいんですよ。

杉岡:音楽情報サイトの基本コンテンツは大体がインタビュー、CDレビュー、ライブレポの3つですよね。僕はインタビューとCDレビューはアーティストのものだと思っていて、なるべくアーティストの意向に沿ったものを書きたい。アーティストはこういうものを訴えたいんだ。こういうものを歌いたいんだっていうのをなるべく理解し、それを噛み砕いてわかりやすい形で、文字に落とし込む。インタビューはその人が語った言葉を丸々載せるわけじゃないんで、いかに分かり易く要約、編集できるか。簡潔な文章の中でアーティストが伝えたいことを100%、できれば120%、表したいなって思うんです。

でもライブレポートというのは逆で、もちろんそのライブでそのアーティストが伝えたいことはあるんですけど、やっぱり現場にいないと意味がない。後でDVDを見ててもそれはまったく別物なんですよね。現場にいないと伝わらない空気。そのほんとに細かいニュアンスを、僕は文字にできないんです。
以前、どなたか忘れてしまったんですけど「結局21世紀になっても"ニュアンス"という言葉を定義することができていない」という話をしていたんですけど、ライブで大切なのもそのニュアンスだと思うんです。
言葉にはできない空気や雰囲気、僕はそれを言葉にしようと思ってなくて、それよりももっと自分本位でいいんじゃないか、自分はこう感じてここが良かったって書きたいって思ってますね。けど、実は僕のライブレポートはボツが多いんですよ。ボツる時は必ずそういうレポートを書いてますね。

加藤:主観的なものを書いたときですか?

杉岡:はい。実はあるバンドの解散ライブの時のレポが全ボツになった事があるんですけど、その時はまったく感傷的に書かなかったんですよね。多分、どこもすごく感傷的な文章を書くと思ったんで、逆にセンチメンタリズムを排除したところで書こう、と。
「泣きながらこいつ書いてんなあ」っていうレポートって僕はそんなに魅力を感じてなくて、それよりもそこをもうちょっとドライにしかもちゃんとおもしろく書くことが大事なのかなと。

加藤:でも解散ライブのレポに関しては、読むのは間違いなくファンやから…。
俺もそうすると思う。ウェットなものを書くと思う。
ファンが読んで…だって解散ライブってそれ以外にターゲットがいないんやもん。それ以外に未来がないバンドやから。
そこはのっかかって良かったんじゃないの?(笑)

杉岡:そうなんですよね(笑)

加藤:いやいや、それはプロならってことですよ、もちろん。
自分のブログを書くというのなら別ですけど。
僕ならそうかなあと。



杉岡:僕はどちらかと言うとやっぱりどうしても好きじゃない人に向けたいという意識がやっぱりいつも働いてしまって…

加藤:でもそっちの方がハードルが高いですよね?

杉岡:そうですね。

加藤:好きじゃない人に届けたい為の方法論というのは何ですか?

杉岡:好きじゃないというよりも、例えば暗い時、落ち込んだ時に音楽に救われた人もいるけども、別にそうじゃない人もいっぱいいる。
そうじゃない人が落ち込んでた時に、こういうの聴くとちょっと楽になるかもよ?いうのが情報としてあって、「ロボピッチャー?知らないけど落ち込んでる時に良いらしいから聴いてみよう」っていうのはすごくいいなと思って。で、例えばそれで救われたとして、でも次に聴くのはまた違う音楽だったりする。そういうアーティストに特化した聴き方じゃなくて、曲に特化した聞き方がもっとできたらおもしろいんじゃないかと思うんです。

加藤:ものすごい時間が経ってから理解できる曲ってありますもんね。恋をしてる時にやけに良くなる曲とか。
この事か!aikoの曲ってこれか!みたいな(笑)。

杉岡:あははは(笑)ありますありますあります。

加藤:あぁそうそう忘れてたな、みたいな。なるほどねえ。
すっごいしんどい時にやっと理解できる曲とかハッピーな時に理解できる曲とか…

杉岡:はっきり言ってしまえば、僕がそういう曲を好きだからだと思うんですよね。
ロボピッチャーが個人的にもすごく好きになったのにはそういう部分があって、何ていうか耐久力があってインスタントじゃない。でもそういうのって広がりにくいじゃないですか。それを広げていけるものを作れたらおもしろいのかなって。

加藤:テキストとして?

杉岡:うん。さらに配信であったり、ラジオとつながるっていうのも一つの方法なのかなって思います。

加藤:じゃあ、何かパッと見に使い道のない音楽に使い方の入り口を定義するのが良い音楽テキストだっていう考え方?

杉岡:そうですね。そうかもしれないですね。
使い道のない音楽…

加藤:いや、使い道がないと言うか、極端に言うと使いずらい音楽。
僕がよくもらす感想として、いつ聞いたらいいんだかわかんねえって。
自分のこと棚に上げて(笑)。

杉岡:わはははは(笑)

加藤:だからわかるんですよ。ドライブミュージックが売れるとかドラマの背景で使われてるのが売れるのって、僕はすごいうらやましいしいいなって思って、だからこの間一回アニソンとか作ってみたりしたんですけど(笑)。
それは使い道のある音楽をやってみようと。
その使い道のない音楽って使い方を教えて欲しい時はある。

杉岡:僕が例えが好きなのってそこなんですよね。「お前は例えが下手だから余計にぼやける」ってよく言われるんですけど、「こんな時に聴いてみたい」の“こんな時”がもっと限定されても良いと思うし、さらにそれがカテゴライズされた情報にできたらおもしろいなって、それはもう夢の話ですけど。

加藤:ロボピッチャーをカテゴライズした時、家で一人でこっそりと聴くべきだ、みたいな。

杉岡:疲れるから電車で聴くな、みたいな(笑)。

加藤:はいはい。確かに通勤の途中とかに聴いて、さあ今日も仕事頑張るぞっていう時に聴くべき音楽かどうかって言われたら、少なくとも発信者としてはそんなことは想定していないですよね。使われ方が結果としてそうなるというのは勝手だし、むしろ通勤の途中で聴いてますって言われたらうれしいけど、やっぱり仕事で嫌なことがあって帰ってから部屋で聴いてますっていうメールの方が多くなるのは僕としてはまあそうかな、と。そういう風に聴かれる音楽だろうという自覚は確かにあるので。

杉岡:ひょっとすると、“こんな時に”の情報だけがたくさんあって、落ち込んだときって顕著だと思うんですけど、アクセスした人の状況に音楽で応えられる、というのが僕の理想かもしれないです。
何か聴くスタートを変えたいんですよ、聴くきっかけを変えたい。もうちょっとライトというか、音楽はもっと雰囲気で聴いていいと思います。

(後編に続く)


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